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フラット35 2020年4月改定について【保険・住宅ローンのトータルプランナー サンクフル・アイ】

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毎年だいたいこの時期になると、長期固定金利住宅ローン:フラット35が改定になります。今回も例外になく改定が入りました。
今までは結構改定のメリットが大きかったのですが、今回は特定の方には少々(もしかしたらかなりの)デメリットがあります。

現状低い金利が続いていることもあり、金利が変動しないフラット35を検討を考える方も出てきています。フラット35で新規借入・借換をご検討している方は参考程度にご覧いただくと幸いです。

 

※文章等の引用はこちらのURLから

https://www.flat35.com/topics/topics_20200131_1.html

 

 

 

 

1.総返済負担率の算定に含める借入金の対象を一部見直します。

 

(1)賃貸予定又は賃貸中の住宅に係る借入金の返済額を年間合計返済額の対象に追加

ご利用条件における「総返済負担率(=年収に占める年間合計返済額の割合)」の算定について、「賃貸予定又は賃貸中の住宅に係る借入金の返済額」を年間合計返済額の対象に含める取扱いとします※。

※当該借入金が賃貸用のアパート向けのローン(ローンの対象が1棟の共同住宅)であることが確認できる場合は、年間合計返済額の対象には含めません。

 

 

ということです。住宅取得に利用するローンは、フラット35や銀行などが提供している住宅ローンと、家賃収入を得るために1棟アパートや区分マンション1室を購入してローンを組ませる不動産投資ローンがあります。

今回改定が入ったのはワンルームマンションなどの区分に関する不動産投資をやられている方に対してのデメリットとなります。どういうことかというと、今までは不動産投資ローンは『事業』という見方をされれば返済比率に算入しないという特性があります。


このスキームを使って、よく不動産投資会社の営業が顧客に、

 

 

不動産投資を先に行って借入をさせ、あとから自分の住む家をフラット35で借り入れる

 

といった提案をすることもあるようですが、これが区分に関しては事業性があっても返済比率に算入されてしまいます。要は、不動産投資の物件があればあるほど返済比率に影響を及ぼし、結果ローンを「借りすぎ」という判断を金融機関からなされ、実際フラット35で住宅購入をする時に審査落ちとなるケースが非常に高くなります。ただし一棟マンションは引き続き返済比率には算入されないとのことなので、このデメリットは『自分の住み家』として住宅購入を考えている一部の不動産投資家には影響を及ぼすものになるかと思います。

 


(2)売却予定の住宅に係る住宅ローンの取扱いの見直し

返済中の住宅ローンの融資対象となっている現在居住している住宅を売却予定で、その売却予定額により当該住宅ローンを完済できることが確認できる場合に限り、総返済負担率の算定において当該住宅ローンの返済額を年間合計返済額から除くことができることとします※。

※売却予定額が現在返済中の住宅ローンの残高に満たない場合であっても、住宅ローンの残額と売却予定額との差額を手持金や新規借入金で賄うことが資料等により確認できるときは、総返済負担率の算定において現在返済中の住宅ローンの返済額を年間合計返済額から除くこ
とができます。

 

この点は、現在住んでいる家を売却をして住み替えを検討している方にはメリットに働くかと思います。通常は現在住んでいる住宅ローンに新しく購入する住宅分のフラット35の分と負債を足す必要がありましたが、売却予定の現在住んでいるところの住宅ローンを負債に入れないといったところは、実際売却を待たずに住み替える新居分の負債のみで審査をすることになるので、住み替えを考えている方にはメリットになるかと思います。

ごく限られた人にはなるかと思いますが、4月以降に住み替えを考えている人には選択肢の一つにフラット35の検討もいかがでしょうか?

 

 

 

2.資金使途がセカンドハウスの取得の場合の取り扱いを一部見直します。

 

セカンドハウス(=生活の拠点としている現在のお住まいの他に、週末などにご自分でご利用(居住)する住宅)を取得するための【フラット35】(機構又は旧住宅金融公庫の直接融資を含みます。以下2.において同じ。)を二重に借り入れることはできない取扱いとします。

 

フラット35や住宅金融公庫の住宅ローンですでにセカンドハウスの取得で借りれをしている場合、さらに1物件セカンドハウスとしてフラット35で新たに購入はできないといった内容となります。

1.で挙げた区分マンションの不動産投資分が免除できない取り決めをみるからに、問題となっている不動産投資目的で不正にフラット35を利用する『フラット35不正利用』の防止対策の一貫なのではと思ってます。

 

ここへきて審査が緩いと言われている『フラット35』も、不正利用問題により規制がかかってきたと言ったところかもしれません。

 

 

 

3.借換融資の借入期間を一部見直します。

借入期間の下限「15年(申込みご本人または連帯債務者が満60歳以上の場合は10年)」を一部見直し、

 

「「35年」-「住宅取得時に借り入れた住宅ローンの経過期間(1年未満切上げ)」」が15年(申込みご本人または連帯債務者が満60歳以上の場合は10年)未満となる場合においても、【フラット35】借換融資をご利用いただける取扱いとします※。


※本取扱い後においても、申込時の年齢が満70歳以上の場合は、【フラット35】借換融資をご利用いただけませんので、ご注意ください(親子リレー返済をご利用の場合を除きます。)。

 

フラット35は最低でも15年以上の融資が必要で、計算式に当てはめて15年を切ってしまう期間の融資はできなかったのですが、今回の改定で15年未満でも融資が可能となります。フラット35を利用をしようとしたけれど、年齢の関係で計算をすると15年を切ってしまうという方でも、場合によっては対応可能になります。

 

フラット35の今回の改定、ここ最近の改定はメリットのほうが大きかったので改定があるごとにお勧めをしていたのですが、今回の改定は少々デメリットのほうが大きいかなと正直思っております。推測ではありますが、昨年に発覚した『不正利用』が影響を及ぼしているのかもしれません。現に制限をかけているのは、不正利用で使われていた『ワンルーム』に代表される投資用区分マンションに対して制限をかけているところを見ると・・・そう思えてしまうのは筆者である私だけでしょうか。

 

 

いかがでしたでしょうか。引き続きこのブログを書いているこの時も低金利なフラット35。銀行などが提供している住宅ローンと同様に、少し高い金利にはなるけれど、『金利が変動しない安心』を武器に、フラット35も選択肢の一つに入れる方もかなり増えました。

新規・借換で住宅ローンを検討してる方も、各金融機関が提供する住宅ローンと一緒にフラット35の選択も考えてみてはいかがでしょうか。

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