運送業に対してのリスク対策を考える【埼玉・草加市の保険代理店 サンクフル・アイ】
業種別に考えるリスク、期間が空きましたが第3弾となります。
今回の業種は『運送業』です。運賃の価格競争で激化する業種と言われていますが、リーズナブルで良いサービスを提供していても、安全面を欠いていたら依頼するお客様(荷主様)も業者を不安視してしまいます。
どの点を考慮すればよろしいのでしょうか?保険代理店らしく、保険に絡ませて書いていこうと思います。
荷物について
お客様(荷主様)から預かった荷物を現地まで安全かつ正確に運ぶ。時間指定やスピード配達等、配達をするサービスの方法は多種多様に渡ります。
安全かつ正確に行おうとしても人間が行うことですので「ヒューマンエラー」はどうしても発生してしまいます。
荷物についての保険を考えるときに、以下の場合でリスクがあると思ったら保険のことを考えないといけないのではないでしょうか?
- 運搬・保管物の盗難や荷崩れ
- 車両衝突による破損
- 運搬作業中に起こしてしまった第三者の方への事故(作業中に近隣の壁を壊してしまったなど)
2番は事故状況によっては相手側の自動車保険(対物賠償)でカバーとなることもありますが、荷主の方や第三者への賠償責任が気になる方は、このあたりを考慮しての保険を検討する必要があるかと思います。
保険契約の条件には『業務用自動車(乗用車:緑ナンバー 軽自動車:黒ナンバー)』としての登録が必要となる場合がありますので、詳しくは保険会社・保険代理店までお問い合わせ下さい。
庸車について
運送業者特有の名称かと思います。運送業者のなかには、閑散期と繁忙期で大きな差が生じている場合や急な大口案件が仕事として入った時に、人員を一時的に増員するとの同時にその人が使用している自動車も増車することを庸車と言いますが、使用人・庸車運転手との信頼関係が必要不可欠かと思います。
他にも庸車については安全配慮を怠らないことも重要ですが、保険に関するチェックポイントは以下の点と思われます。
- 庸車の自動車保険(例えば、『営業車』なのに『自家用車』で契約されているなどの間違いがないか)
- 庸車が起こしてしまった荷物の破損や盗難などの事故に対する保険金支払が行き届いているか
- 庸車運転手自身がケガをしてしまった場合の傷害保険
3番についてですが、庸車運転手との関係はほとんどが業務委託という形で行うことが多く、サラリーマンのような社会保険に加入しておらず、傷病手当が出ないケースが大半だと思います。
「庸車運転手が自分で引き起こしたことでケガをしたのだから自業自得では?」と思うかもしてませんが、庸車を使っているということは業務もかなり多忙していることと思います。庸車運転手も同じ人間、疲労などで心身とも限界まで業務をこなしていらっしゃるのではないでしょうか?
そんなときにケガをしてしまった原因が、業務多忙によるものだったら庸車運転手の方も次回、同じような仕事が出てくるようであれば仕事を選んで断られる可能性もあるかもしれません。
「福利厚生」ということでお考えいただくといいかと思います。
1番と2番についてはそれぞれ運送関係の賠償責任や庸車側の自動車保険の保険証券を確認して下さい。特に2番につきましてはお客様(荷主様)に対しての賠償となりますので、保険契約は把握する必要はあります。
他にも『保険代位請求』ということについても考えなくてはいけないのですが、これは別のブログで書こうと思います。
荷物だけではない!?運送業のリスク対策
運送業を行う上でのリスクは何も荷物だけではありません。庸車のパートでも触れましたが、従業員のケガなどの労災問題もありますが、運送物の中に「代引き」での支払いといったものはございませんでしょうか?
もし代引きを行っているのであれば、ドライバーが売上金やつり銭を常時持ち歩いていることでしょう。もしその売上金が盗難に遭ってしまった場合、どうされますか?
売上高がそれほどでもなければいいですが、高額になればなるほど補填も大変な額になります。そういったリスク対策も実は保険でカバーされることがあります。
荷物を安全に運ぶことに重点を置かなくてはいけませんが、ぜひそういったリスクも一度お考えください。
従業員の安全に対する意識の高さや庸車運転手の信頼関係が強い運送会社が、結果お客様(荷主様)への信頼に結び付いて業績も上がるかと思います。
ぜひ一度、運送に対する『リスク』についてお考えになってみてください。