地震保険の歴史・メリットとは
11月22日夜に長野県北部で震度6弱の激しい揺れを観測する地震があり、長野県内では住宅34棟が全壊し白馬村で一時閉じ込められた住民が骨を折る大けがをするなど、41人がけがをしました。(2014年11月23日23時現在)
今回の地震で建物の全壊・半壊や負傷者が出たとのことですが、死亡者がでなかったということは不幸中の幸いだったと思います。
関東圏でも緊急地震速報が流れ、多少なりとも不安な夜を過ごされた方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、地震保険を契約する際に必要なこと、そして契約するメリットをご説明致します。
・・・といっても地震保険の契約に関することはさまざまなサイトに記載されておりますので、おさらいとなる文面が多いと思います。
ですので歴史について少々記載致します。
地震保険の歴史については1964年に発生した『新潟地震』がきっかけとなっております。その時は死者も出ましたが建物の全・半壊や津波による浸水がかなりの件数発生しました。もしかしたらご記憶されている方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
建物に関する保険ですと火災保険が該当しますが、免責事項(保険金の支払対象外)の中に地震や津波・噴火に伴う建物の倒壊・焼失は補償されないものでした。
(現在の火災保険は地震による火災で保険金を受けることは可能の保険もありますが設定金額が低いのでお見舞金程度のものがほとんどです。)
この被害を目の当たりにして、新潟県出身で当時の大蔵大臣でもある田中角栄氏大蔵大臣が「地震保険が必要だ」と言われてことが地震保険誕生の大きなきっかけとなり、そして新潟地震の発生から2年後の1966年6月、「地震保険に関する法律」が制定されました。当時の地震保険は建物が90万で家財道具が60万しかも火災保険の契約金額の30%が上限だったとのことです。そしてその当時の地震保険は火災保険に強制的に付ける強制保険だったそうで、当時の火災保険の売れ行きが悪くなってしまったようです。
今では火災保険の契約に任意で地震保険を付けることができ、全壊以外にも半壊や一部損壊でも保険金を出せるようになり、地震保険の設定も火災保険の30%~50%の間で設定可能となっております。
地震保険のメリットは、地震保険料の支払いをされている方は所得税・住民税控除の対象となります。そろそろ年末調整や確定申告の記入で準備をされているかたも多いのではないでしょうか?
2007年(平成19年)1月から、以下のとおり「地震保険料控除」が創設され、国税は2007年(平成19年)分以後の所得税、地方税は2008年度(平成20年度)分以後の個人住民税について適用されることになりました。また、現行の火災保険・傷害保険等に対する損害保険料控除は、2006年(平成18年)12月末をもって廃止となりました(ただし、2006年(平成18年)12月末以前始期の保険期間10年以上の満期返戻金がある保険契約(積立型保険契約等)は、2007年(平成19年)1月1日以後に保険料が変更となる異動があった場合を除き、従前の損害保険料控除が適用されます)。
●地震保険料に加入
【所得税】
- 年間払込保険料合計 5万円以下 払込保険料全額控除
- 年間払込保険料合計 5万円超 5万円控除
【住民税】
- 年間払込保険料合計 5万円以下 払込保険料×1/2控除
- 年間払込保険料合計 5万円超 25000円控除
●旧長期損害保険料に加入
【所得税】
- 年間払込保険料合計 1万円以下 払込保険料全額控除
- 年間払込保険料合計 1万円超2万円以下 払込保険料×1/2+5000円
- 年間払込保険料合計 2万円超 1万5000円
【住民税】
- 年間払込保険料合計 5千円以下 払込保険料全額控除
- 年間払込保険料合計 5千円超15000万円以下 払込保険料×1/2+2500円
- 年間払込保険料合計 15000円超 1万円
地震保険・旧長期損害保険料の両方該当する場合は最高で所得税:5万円・住民税:25000円となります。
保険金の支払い方については火災保険は被害額ですが、地震保険については損害の度合いによって一時払です。
詳しくはこちらのサイトをクリックしてください(日本損害保険協会のサイトへ移行します。)
地震大国日本、今後も大小問わず地震はやってきます。もし地震で自分の建物が倒壊してしまった場合、建物を立て直すにも費用と時間がかかります。
万が一に備え地震保険にまだ未加入の方、検討してみてはいかがでしょうか。